kobo Touch 雑感

楽天が Kobo を買収して傘下に収めることを発表したのが  2011/11/9 のこと。買収額は約3億1500万ドル。

そして 2012/7/19 に国内で kobo Touch を販売開始した。

事前予約はしなかったけど、発売日の数日後に私も kobo Touch を購入しました。

すでに Kindle 4 もあり、 Sony Reader PRS-T1 もあり、kobo Touchまで買うのはどうよって感じだったんだけどね。なんか祭りに乗り遅れる感じがして(汗

真面目な話をすると、non DRMのEPUBファイルとかが、どの位実用的に使えるのかなぁというのに興味があった。あと結構フォント変更できたり、カスタムカーネルいれられたり、変に玄人というか、マニアックなところがあるぽいので、後悔はしなさそうかなと。

全体的にいうと、書店側は酷いらしいがまったく利用していないので関係ナッシング。

non DRMのEPUBビュワとしてみると、価格や使い勝手を考えてみると結構気にいった。

ある種慣れた人達にとって、悪くないデバイスじゃないかなというのが今の個人的な感想です。

全然こういうデバイスに慣れていないとか、書店から購入しないと読めないというようなある意味「普通」の人にとっては、様子を見た方がいいかもしれない。すくなくとも、もう少しお店がこなれて、販売点数が増えてから考えた方が、ストレスが溜らないのかもという所です。

初期の各種トラブル

3万点用意すると言っていた販売タイトルが全然足りてないとか、初期のセットアップができず当初動かない板状態になった人が結構いたとか、販売サイトの検索がおかしいだとか、kobo Touchのレビューを非表示にしたりだとか、色々と話題を振りまいています。

社長のこういうインタピューでまた話題をふりまいたり、担当執行役員がインタビューでこういうことを言っていたりとか。

色々と話題にはことかかないのですが、出だしで色々と問題がでていて中の人は大変だなぁという感じです。ただ、そういうのはもう起きてしまったことなので、できるだけ早く改善していけばいい問題だと個人的には思う。

それに書店側をまったく利用していないので全然実感はないんだけど、結構なペースで改善もすすんでるらしいし。

ちょっと表にでてる人の言動には、ユーザーとしては色々と釈然しないところもあるだろうけど…

で、個人的には、結構 kobo Touch は気にいっています。Sony Readerの PRS-T1 も持っているんだけど、T1よりは好き。

やっぱり1万を切るこの価格で、縦書きを含む EPUB ファイルを見ることができるというのは、とてもありがたい。

kobo Touch では、すべて自分で変換した EPUB ファイルか、達人出版会さんとかで売ってる non DRMのファイル 「だけ」使っているのだけど。

デバイスの感想

もっとも事前に心配していたのは、初期セットアップに成功するか、ということだった。

セットアップしないと一切利用できないので、それは最悪だなと。サーバーなのか、デバイスなのか、デスクトップアプリなのか、本当の原因がどこにあるか分らない。しかし、お金はらって届いたものが、全然使えないなんてことになったら普通は怒る。

オンラインゲーム長いことやってるんで、大抵サービスインとか、アップデート直後とか、まともに動かないのが当たり前みたいな諦め感も大分板についてきてるんだけど、ね。やっぱり、ムカツクよね。

ただ、私のケースでいうと、大きな問題はなかった。最初の一回だけエラー表示がでたが、2回目試したらセットアップ成功。結果として、殆どつまずいた感じはなかった。発売日じゃなかったのが幸いしたのかもしれない。

ここでつまずいた人は、もうその後はいい感触は持てないよね。

自分の場合は、最初は結構怖々としていたけど思ったより楽にいけたこともあって、全体的には割といい印象です。

E-Inkデバイスはもう慣れたもの。再描画の問題だとか、リドローの遅さとか、そういうのはガッテン承知といった感じ。バッテリーをあまり消費しないとか目に優しいなんていう利点も同様。

この辺の知識がない始めての人はカラーでないとか、描画が遅いとか、リドローの設定によって擦れたように前のページの文字が薄く残るだとか、結構ビックリするかもしれないなぁ。

バッテリーの問題は、全然持たないと聞いて心配してたんだけど、Wifiをオフにしておけば全然問題ない感じ。基本的にコンテンツをネット経由で落す時位しか使わないので、デフォルトオフにしてる。この状態なら数日くらいなんら問題ない感じ。

ただ気になった所は当然ある。

例えば、物理ボタンの不在。

これは改善の余地はないね…

ページめくりは手持ちのデバイスでは Kindle 4 が一番いい。E-Inkにタッチインターフェイスはどうかなぁと思っていてわざわざ Kindle touchじゃなくて Kindle 4 を買ったんだけど、 Kindle のページ用の左右に付いているボタンはとても気にいってる。

Sony Readerのボタンは左右対称じゃないし、位置が個人的には気にいらない。

タッチは、マーキングとか辞書引きみたいな時には便利かもしれないが、ページめくりに利用するのは結構嫌だ。特にページ内にリンクがたくさんはられているとタッチでリンクを踏んでしまい、鬱になる。目次なんかが特に。

あとは、UIのこなれてない感じはする。

慣れの要素がおおきいので、大体判ってくればなんとかなる範囲ではあるけれど。

障害という点では、そういえばタッチが反応しなくなるという障害に出会った。

デバイス自体は、物理ボタンには反応するけれども、タッチにまったく反応しない。かなり焦ったけれども、電源ボタンをスライドさせたまま数秒おいておくと、スリープではなく電源が切れる。再度電源を入れなおすことで復帰できた。

自分では気がつかなかったけど、後で聞いたら後ろにリセット用の穴があるみたい。最初リセットスイッチさがしたんだけど、てっきり側面にあると勝手に思いこんでいてみつからなかったんだよね。後で聞いて穴をみつけて、あちゃーっという感じでした。

全体的にまだ改善余地はあるけれど、十分に実用的かなと思ってます。

どういう対象に売るか

そんななか、2012/8/4からスーパーのイオンでも kobo Touch を発売するというニュースを見かけた。プレスリリースはここ

スーパーのような所で売るというのは、事前の知識がない人に向けて売るということだ。

楽天の kobo 事業に対する投資額を考えれば、好事家向けだけでは回収するのは不可能なんだろう。海外への楽天会員の浸透を狙うみたいな直接電子書籍事業と関係ない効果もあるかもしれないが、それにしても巨額の投資だ。まあ国内だけの投資じゃないとしても、ね。

デバイスをどんどん売って、コンテンツの販売を促進したいという気持はすごくよく分る。

ただ、販売点数や全体的な読書端末(特にE-Ink系)の普及具合などを考えて、こんなに駆け足かつ急いで逆効果にならないか、というのは心配なところ。

必要と決断したら、金額的にも開発リソース的にも、集中投下できるという楽天のパワーは羨しくもある。

どうせやるなら、なんらかの成果を残して欲しいな、とは思ってます。

まあ個人的には、レビューの非表示とか、外部へのインタビューなんかの受け答えを見てると、あんまり好きになれないな、楽天という会社は、という印象は強くなったんだけどネ。

デバイスTips

メモがてら。

  • バッテリー

Wifiをオフにすると結構持つ

  • kepub

XXX.kepub.epub という形で拡張子 .epub を .kepub.epub に変更すると、日本国内に適した EPUBレンダリングエンジンを利用してくれる。koboは海外でも展開していて、海外用の既存のレンダリングエンジンと国内用のエンジンと2種類もっているらしく、その切替をファイル名でおこなっているようだ。なので、自分で入れるコンテンツのファイル名は注意が必要。

  • 文字化け

EPUBファイルを自分で入れた時、文字化けして漢字が表示されない時がある。その時はデバイスの設定で使用するフォントをドキュメント指定のフォントを利用するという設定から、好きなフォントを指定すると直る。

  • font追加

PCなどに接続して、USBディスクとしてマウントされた kobo touch のルートに fonts/ というディレクトリを作成し中にフォントファイルを設置するとメニューに出てくるようになる。詳細はこちら

  • 野良コンテンツ追加

PCなどに接続して、USBディスクとしてマウントされた kobo touch のルートに EPUB ファイルなどを設置する。

  • wikiサイト

楽天 kobotouch 非公式Wiki